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衝撃的な事実を知った
「腫瘍マーカーの数値が異常に高い」と総合病院で説明を受けた当日、「何だ? 何だ? 腫瘍マーカーって何だ? 卵巣癌って何だ?」と頭の中はパニックだった。(母はもっとパニックだったはずである。)
物事を消化できないまま病院の帰りに書店に寄る元気もなかったので母を病院に残し帰宅してからインターネットで調べること1時間・・・
ようやく全貌があきらかになってきた。1時間という短時間でもインターネットがある現代では事実がすぐにわかってしまう。ありがたいことの反面、こちらの心の準備なんてお構いなしだ。
実は家族が癌になったことは初めてではない。そのとき、まだ僕は10代だったので詳しいことは知らなかったし、インターネットが普及するかなり前だったので収集できるスピードは遅かった。書籍で調べるか、人伝(ひとづて)に聞くという方法しかなかったように思える。
「家族の癌」というのは、父が当時「喉頭癌」という病気になってしまったのである。(その後、合併して、ある難病になってしまったが・・・)
話を元に戻すと、「卵巣癌」になった人の生存率もインターネットで数分あれば収集できる。調べようか、どうしようか数分考えたが、事実を早く知ったほうが良いと思って、検索してしまった。
「卵巣癌 生存率」と検索エンジンの窓に入力して出てきた情報は・・・
卵巣がんの5年生存率 ※数値はあくまでも目安 | |
ステージⅠ期 | 5年生存率 約90% |
ステージⅡ期 | 5年生存率 約70% |
ステージⅢ期 | 5年生存率 約30% |
ステージⅣ期 | 5年生存率 約10% |
この情報を知ってしまったときは、「5年生存率」という詳しい意味を調べる余裕がなかったので、しばらく「ボーっと」なってしまったのを思い出した。
5年間生きられる確率が10%・・・
5年間生きられる確率が10%・・・
5年間生きられる確率が10%・・・
5年間生きられる確率が10%・・・
5年間生きられる確率が10%・・・
と頭の中をリフレインする。その夜は到底いつものように過ごせるはずもなく、そして・・・。
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
どうする?
と答えもでないまま、数時間が過ぎ、気がつけばスズメの鳴く声が聞こえる時間になっていた。