書籍メモ:「がんと向き合う家族のための本」
目 次
はじめに
第1章 がんと向き合う患者たちの心の動き
第2章 がん患者の家族たちの悩み
第3章 病人を見送った家族たちの想い
第4章 よい医療とは、生と死をしっかり見つめることから
おわりに
第2章 がん患者の家族たちの悩み
P3
医療相談に対する私の返信という形で本書を進めていきますが、様々な状況にある方がどのような気持ちで病気に取り組んでいるのかを知るのは、同じように病気に直面している方やご家族にとって何らかのヒントになるはずです。
P83(1回目に読んだときに唯一気になったところ)
なかにはさまざまな治療法を血眼になって捜し回り、これを強引に患者さんに推しつけてくる家族も少なくはありません。これも家族のエゴイズムの1つの型だといつも思って見ています。
第4章 よい医療とは、生と死をしっかり見つめることから
中国に学ぶ具体的な養生、七つの法則 <P182>
- 1、運動に勤(いそ)しむ
- 2、気孔をする
- 3、飲食の節制
- 4、起居を謹(つつし)む
- 5、薬物(漢方)で補う
- 6、環境に適する
- 7、心をのびのびとさせる
P186
3、飲食の節制
「養生訓」などを読んでも、わかりますが、好きなものを少し食べるのが良いということです。好きなものというのは、自分の身体が本当に要求している食べ物のことです。
「今日はウナギが食べたいなぁ」と心から感じたら、その心の声に素直に従って食べることが大切です。ただし、好きだからといって、腹一杯になるまで食べてしまってはいけません。
P190
4、起居を謹(つつし)む
アメリカでAタイプの人間は、心臓病の人が多いという研究結果が発表されました。もちろんこれは血液型のA型ではありません。アブレッシブ(Aggressive)型人間、つまり、性格が攻撃的な人という意味です。
何でも人と競争して勝とうとする人であったり、すぐに怒り、他人に対してすぐに敵意を抱く人たちです。
P196〜P197
7、心をのびのびとさせる
- これまで述べてきた中であえて、どれがいちばん大切かと言えば、やはり心に関することでしょう。
- だから逆に考えて、心さえしっかりしていれば、多少他の部分を乱暴にしていても、いいんじゃないかと思います。
- 貝原益軒も心について、養生の第一は、「心気を養う」ことであると書いています。「心を柔らかくし、気を平らかにし、怒りと欲とを抑え、憂い思いを少なくし、心を苦しめず、気を損なわずと、これ心気を養う要道なり」と、いうことを言っています。つまり、心が澄んで美しい状態が良いということで、まさにその通りです。江戸時代の儒者*1で八十八歳ぐらいまで長生きした佐藤一斎(さとういっさい)も、身をもって養生の道を説いた人です。この人も「養生の最(さい)は、心志(しんし)なり」と言っています。つまり、貝原益軒も佐藤一斎も、養生でいちばん大切なのは、心だと言っているのです。
?章
P178
これを江戸時代の儒者である貝原益軒が「養生訓」の中で触れています。
?章
P200~P201
死生*2観を頭に置いて先人たちの本を読んでみると、荘子も貝原益軒も佐藤一斎も、「明るく前向きにしろ」とは、ほとんど言っていないことに気づきます。ただ「心を平らにしろ」ということだけです。平に・・・であって、明るく・・・ではありません。
語句の意味
- 儒学(じゅがく)
- 孔子の思想をもとにして説く、中国の政治・道徳の学問。儒教。
- 儒教(じゅきょう)
- 儒学の教え。
書籍データ
- タイトル
- 「がんと向き合う家族のための本」
- 著者
- 帯津良一(おびつ りょういち)
- 発行日
- 1998年05月30日
- 出版社
- 大和書房
- 金額
- 1,500円(税別)
- 内容
- 西洋医学だけではない柔軟な治療法の第一人者が実践する生きがいを育て、治癒力を高め、心を支える医療とは。
- あらすじ
- 西洋医学だけにこだわらず、東洋医学や代替医療まで、柔軟な医療法で知られる著者が、患者を支える家族の不安や悩みにていねいに答える。生きがいを育て、治療力を高め、心を支える医療とは…。
参考文献
- 「がんと向き合う家族のための本」
- 著者:帯津良一(おびつ りょういち)
- このページの内容は、上記書籍から抜粋しました。
- 著者:帯津良一(おびつ りょういち)