母に近藤誠さんの「がんもどき理論」が通用したのかを考えてみた

近藤 誠さんの「がんもどき理論」は極端すぎるかもしれないが・・・

たぶん近藤 誠さんは、西洋医学ではタブーとされていることを「他の人を敵にまわしてでも患者に伝えておかなくてはならない」という正義感から、「がんもどき理論」を世に出したのだと思う。

近藤 誠さんの著書「医者に殺されない47の心得」を読んだ時には、妙に納得したし、悪さをしないガン細胞をガンではなく「がんもどき」という表現にしたのにも「なるほどねぇ~うまいこと言うなぁ~」と感心した。

僕もそうかもしれないが「近藤 誠さん=ガン放置主義者」と勝手に思い込んでしまって、癌は西洋医学でいうところの3大療法である、「切る」「焼く」「打つ」などをせずに放置しておいたほうが良いという極端な主張だけが、ひとり歩きしてしまっているように感じる。(間違っていたらゴメンなさい。)


「医者に殺されない47の心得」について

それと、僕は近藤 誠さんの書いた本は「医者に殺されない47の心得」しか読んだことがないので、本書に限って言うと出版社の「本を売りたいのだろうと思われるキャッチコピーや文章表現」にも問題があるように思う。

例えば第2章患者よ病気と闘うなとか、心得12では1度に3種類以上の薬を出す医者を信用するなとか「~するな」という命令口調にしていることにも、少しだけ編集者の悪意を感じる。執筆しているのが、ゴーストライターではないことを願いたいが、もうひとつ例を出してみると、心得25『「免疫力」ではガンは防げない』に書いてあった文章を僕なりに要約すると、

「ガンを免疫療法でやっつけようなんて意味ないですよ~ 欧米では常識。だって、そもそも身体の免疫システムがガン細胞をやっつけなかったから、ガンになったわけでしょ」

さらに、

「あるデータによると胃がんを手術しなかった患者の生存率を見ると抗がん剤を使った人、免疫療法をやった人、何もせずに放置した人を比べると、いちばん長生きをしたのは、放置していた人でした。だからガンの治療はせずに放置しておいたほうがいいですよ」

そして、

「それに免疫細胞療法でガンを抑えこむとなると高いお金を請求されますよ。毎月数10万円とか総額で1,000万円とかかけてもガンを放置したほうが長生きできたなんて大学病院も人体実験をしてデータを取りたいのは自由だけどさぁ~ 患者からお金を取るのは詐欺でしょ!!」

と、この項目を締めていた。


医学の知識がある人なら、「癌の放置」もできるかもしれないが・・・

恐らく近藤 誠さんの言われることには真実が沢山あるのだと思うが、「医学の知識のない我々素人が、ガンを治療もせずに放置できるのか?」という疑問は消せない。近藤 誠さんを1人の人間として見てみると医学界の人で、癌の放射線治療の専門家であるということ。

だから業界の闇の部分を熟知しているし知識と経験によって、たとえ自らがガンになったとしてもガンを放置できるだけの武器がある。しかし僕らには、その武器がない。仮にあったとしても戦車に竹槍で挑むようなもので、とても非力。

「じゃ戦闘力をもっとアップすればいいじゃないか!!」と言われても、自分自身もしくは家族がガンになった時は必ずパニックが起きる。そんな状況で素人がいくら知識を得たとしても、せいぜい「戦車に竹槍」が関の山。ものすごく頑張ってロケットランチャーなどを装備できたとしても、その頃には病院で、「まな板の鯉」状態。

近藤 誠さん流に考えてみると「ヘタに動いたり、武器を持って闘うとすると流れ弾に当たったり、敵視され相手が攻撃をしてくるので、そのまま動かないで、じっとしているほうが生還率が高くなりますよ~」という事なのかもしれない。

果たして自分が戦場にいたとして何もしないまま動かずに我慢できるのか?


僕なりの答え

「末期のガンには、抗がん剤の効果は期待できない」と最初から知っていたらという事を前提に考えると。

母の例で今思うことは、近藤 誠さんの癌を放置する考えかたは、母のような末期のガンの状態ならば、そのほうが抗がん剤を投与した事によって余計な苦しみをさせずに済んだかもしれないので、モルヒネによる痛みのコントロールである緩和ケアは必要だけれど、絶対条件である 安心なサポート体制が整っていれば ガンの放置もありだったかなぁ~と思う。


参考文献

  • 「医者に殺されない47の心得」~医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法~
    • 著者:近藤 誠(こんどう まこと)
    • 発行日:2012年12月19日


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