なんだか微笑ましい光景だった
いつものファミレスで、見かけた親子
月に数回だけど行くファミリーレストランで夕食をしていたら、60代位の男性と80代位の女性が僕の入店から30分後くらいに入ってきた。よくある光景なのだが、その日は僕の座っていた席の右斜め前に着席をしたので、どうしても目に入ってしまっていたのだ。
思い出しながら書いたメモ
僕は食事が済んだら読みかけの本を読み始めていて、残りも3分の1だったから、最後まで読み切るつもりでファミレスに来たので、この2人が夕食を済ませて帰るまでの間の様子を何となく見ることができた。僕が思うに、この2人は親子であり、女性が母親で男性が息子のように見えた。
年配の息子と老女。
最近、歳のせいかもしれないが、この組み合わせは、僕のアンテナに引っかかるようになってきた。ブツブツ何か文句を言いながらカレーうどんを啜(すす)る母親と、それに受け答えをしている息子。この親子は、ファミレスに1時間もいなかったと思うが、2人が食事を終え、会計をし、店から出て行った後に何故だか、この日は懐かしい気分になった。それと同時に、ちょっぴり切なくもなったりした。
僕の両親が生きていたなら、こんな気持ちには、ならなかったと思うのだけれど、「もう僕には、やってあげられないこと」だから。父と母と一緒に行った店も母と2人で食事をした店も、まだ僕1人では行くことができない。まー食事処に限ったことではないけれど・・・
母との13ヶ月間、母の体調が良い時に2人で行った外食は、今では本当に僕の財産となっている。僕が美味しそうに食べている姿をニコニコしながら見ていた母の笑顔は、今でも忘れる事ができない。面白い事に、それはちゃんと僕に引き継がれていて、僕も我が子と2人で外食をする機会があると、我が子が美味しそうに食事をしている姿を見て、ニコニコしてしまうからだ。
幾つになっても親子は親子だと両親がいなくなってから益々、親の気持ちが分かるようになってきた45歳の初夏の出来事だった。